292 空蟬

秋の陽をうけ緋色に輝くツタウルシに、エゾゼミの抜け殻が雨と風の中、落ちもせずしがみ付いた。暑かったこの夏のいのちの名残り。現人(うつしおみ)が転じて「うつそみ」となったというが、言の葉は生きもの蝉の抜け殻と結びついたあた … 続きを読む 292 空蟬